エーザイ株式会社 PR部
(左)吉川様 (右)クンドゥス様
最初にアトムストーリーと仕事をすることになったきっかけを教えて頂けますでしょうか?
クンドゥス様:最初は、私たちがSDGs関連の動画を作成したいと思ったことがきっかけです。色々調べていたところに、アトムストーリーさんのパラパラ漫画ムービーを拝見して、すごく感動的だったので御社に問い合わせをさせていただきました。
――今回、パラパラ漫画でどんな事を伝えようとしていましたか?
クンドゥス様:エーザイでは「必要な医薬品を、必要とする人々に届けたい」という想いがあり、それは弊社の「ヒューマンヘルスケア(hhc)」という企業理念に基づいています。
エーザイは、グローバルのパートナーとともにリンパ系フィラリア症やマイセトーマなど顧みられない熱帯病(NTDs)の制圧にも取り組んでいます。これは、エーザイ1社だけで取り組むことのできる課題ではなく、パートナー企業とともに取り組む必要があり、エーザイとしては、このパートナーとの取り組みもお伝えしたいと考えています。
このような取り組みを通じて、ブランド価値向上につなげ、エーザイの活動に関する皆さんの理解度を上げていこうとしています。
1作目は、エーザイのリンパ系フィラリア症への取り組みを伝えつつ、「パートナーとの関わり」についても伝えたいと思いました。エーザイが製造しているリンパ系フィラリア症の治療薬はパートナーの皆さんが蔓延国の人々に届けてくださっていることを描きました。
2作目の時は、パートナーと一緒に新薬開発に取り組んでいることを伝えたいという想いがありました。
しかしながら、多くのパートナーがいるため、全員一緒に巻き込むということが難しく、2作目は活動をしぼりつつ、パートナーの皆さんと一緒に取り組んでいる活動を見せていくストーリーになっています。
吉川様:私たちが取り組んでいることをお伝えするということは簡単ではなく、本当に私たちの想いを、素直に受け取っていただくためにはどうしたらいいのか、そういうところがポイントだったのではないかなと思っています。
多くの方にお伝えするために、「パートナーの皆さんと一緒になってお伝えしていく」ことが重要だと考えています。
アトムストーリーへの依頼前に伝え方などをしっかり決めていた印象だったのですが、部署内で話し合いがありましたか?
吉川様:骨格は決めていました。
ですが、多くの方に疾患を知っていただき、そこに(エーザイとパートナーが)取り組もうとしていることを知っていただくことは、私たちだけではできないことです。
その点において、パートナーの皆さんに共感いただいて、一緒になって啓発していただくことがとても重要だなと考えていました。
――今回の反響はいかがでしたでしょうか?
クンドゥス様:1作品目の時にグローバルなフェスティバルでアニメーション賞を受賞し、その時に関連団体から「おめでとうございます!」と言っていただけました。
また、作中に出てくる「リンパ系フィラリア症」は大変な病気ですが、パートナーから「パートナーとして、エーザイがこの病気の薬を無償で提供していることを誇らしく思っています」というメッセージを受け取ったときに、本当にエーザイが、この病気の制圧活動に取り組んでいることってとても大事だなと感じました。
吉川様:私が過去に所属していた営業部門では患者様と直にお会いする機会があります。そこで、私たちのお薬などで実際に良くなっているというお声を聞くことがありますが、今の部署ではなかなかそういう直接的なお声を聞くことはできません。
しかし、直接のお声を聞けなくても、今回の作品を通じて、多くの方に私たちの想いをお届けできたことが嬉しく、感動しました。
――社内の方々から共感のお声などがあったということでしょうか?
吉川様:社内もそうですが、社外のパートナー企業からも反応がありました。
アトムストーリーさんのお陰もあると思うのですが、普通の動画をただ流すのとは伝わり方が全く違うと感じました。
クンドゥス様:感情に訴えるというか、見て感動するというか、皆さんにもとても響いたのではないかなと思います。今回制作した動画にメッセージを寄せていただいたパートナーの皆さんにも、公開された時点で動画を共有させていただき、喜んでいただけました。
1作目の作品でアニメーション賞を受賞したときに、これはエーザイのための賞ではなく、「パートナーの皆さんの協力があってはじめて患者様にお薬を届けられた」という想いに対する賞だと感じたので、パートナーの皆さん全員にお礼のメールをお送りしました。
――素敵ですね。パートナーさんへの共有の仕方も、「皆さんあってこそできた」という伝え方ですね。
――製作の中身に関わることについて聞かせてください。パラパラ漫画に期待していたことはなんでしたか?
吉川様:私たちの取り組みを「自分たちがいいことやっています、分かってください」のような伝え方ではなく、パラパラ漫画で伝えることで自分の事・身近な事として捉えていただけるのではと期待していました。
――ありがとうございます。
――アトムストーリーに期待していたことがあれば教えてください。
吉川様:本音を言わせていただきますと…2作目はかなりタイトなスケジュールで進めないといけないという事情があったのと、やはり安心感です。アトムストーリーさんで1作目を作っていただいた時の安心感というものは大きかったと思います。
他社への依頼は当然を考えましたが、1作目でご協力いただいた際に、私たちのことをご理解いただいているという点で、アトムストーリーさんにお願いするのが1番だと思いました。
私たちの実現したいことをサポートいただける、作り出していただけるのではないかというところから依頼しました。
――その「安心感」はどういった部分で感じていただけたのでしょうか?
クンドゥス様:アトムストーリーさんから、「ここまでは修正できる、そのあとは修正できない」ということを明確に示していただけたのが、安心感に繋がりました。
制作工程のやりとりの中で、必要な情報の内容や提供スケジュール、納品までの段取りなどを、話しながら決めていけたのがとても良かったです。
――「ここは困った」などのご意見があれば教えてください。
吉川様:特に2作目はタイトなスケジュールで進めていたのですが、そういう中でもどうしても変更しないといけない部分がでてきてしまったことです。私たちはいいと思っても社内から色んな意見をもらいますし、今回で言えば、パートナーの皆さんにも確認をいただいたりと、「確認」にかなり時間がかかってしまい、最終的にどうしても変えざるを得ないところがありました。
私たちとしても、修正の大変さは分かる反面、良い動画を作りたいという思いから、そういったやや無理な変更はどうしても発生してしまいます。
アトムストーリーさんには、そういった時に、柔軟に対応していただいたと思っています。
結局、修正を加えることによってイラストレーターの方などの作業量が増えるため追加費用がかかったり、スケジュール的に厳しくなったりしましたが、そこも含めて、適宜アドバイスや指摘をもらったり、柔軟に対応・組み立てていただけたのがすごくありがたかったですね。
――ありがとうございます。
――今回パラパラ漫画を作って発信して、感じたこと、気づいたことはありますか?
クンドゥス様:2つの作品を発信して感じたことは、私たちが取り組んでいる「医薬品を作る・必要な人に届ける」ことは、多くの方にとって知らない情報、分かりにくい情報であるということ、そして、だからこそ、皆さんにとって分かりやすく伝えることが大事だと感じました。動画をご覧になって感動してくれた方が多いということも実感しました。
海外イベントでも発信していただきましたが、その時に分かったのはパラパラ漫画が日本特有のイメージで、海外のアニメーションとは少し違う、ということです。海外の皆さんからは、とても興味深い、「日本っぽい感じ」でよかったという感想をたくさん聞きました。
――確かに日本と海外だとテイストが違いますね。
吉川様:パラパラ漫画の制作を通じて、社内の理解も深まったのではと思います。
エーザイは医薬品アクセス向上に注力しており、薬剤も無償で供給しているのは、社員の皆が知っています。
しかし、どのような想いで活動しているのか、ということが社内で更に理解が深まったのかなと思いました。
だから社内の色々なところで動画を流してみたいというお話をいただくのは、やはり「分かりやすさ」や「共感を得やすい」というのが、社員の中でも起こったのではないかなと感じますね。
――取り組みの背景や想いが伝わったということですね。この度は貴重なお話しありがとうございました。
エーザイ様の動画はこちらのURLからご覧になれます。
1作品目
「Leave No One Behind -顧みられない人々の病気-」
https://www.eisai.co.jp/sustainability/movie/index.html
2作品目
「最も顧みられない熱帯病マイセトーマ-新薬開発への挑戦-」
https://www.eisai.co.jp/sustainability/movie/index-2.html